205 一色の潮騒が魅せる夏

「今年の夏は特に暑い」と言って、人々は静かにクーラーの効いた部屋で過ごしているのだろうか。

毎日、メディアが、「熱中症で救急搬送された」と流すので、とくに高齢者は町に出なくなり、UMIGOYAのカウンターで飲み物を出しているM氏は「コロナ禍みたい」と。しかしライフセイバーのK氏は、さすがに週末にかけては混んでいるとも言う。

かつて、東京に毎日通っていたころは、週末には、海の家がない御用邸の裏側の浜で、防波堤まで泳いではビールを飲み、昼寝をするということを繰り返していた。それが心と頭の休養になっていた。

いま、浜に出かけても泳ぐことはしないが、この浜に出かけると初めて夏を実感する。今年の海の家はUMIGOYA、THE SAIL HUS、一色ロイヤルビーチ、Blue Moon、さざ波で1軒減ったようだ。 御用邸の前は相変わらずの静けさだが、裏の浜に出れば別世界がある。

海水浴客は減っても、そこはみんな裸で思い思いに夏の海を愉しんでいる。

ビールを飲みながら、潮騒と人々のざわめきを聞いていると、心静かに、かつて御用邸の裏で昼寝をしていたころを思い出す。(ろくさん)

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